時代認識

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自分が生きている時代を的確に認識することは大変難しいことです。
だから、色々な場で情報収集することがとても大事です。
まず、日本の産業の現状認識を共有したいと思います。

日本のGDP(国内で産出された付加価値、国内の消費の合計額から原材料費を引いたもの、すなわち粗利益額のこと)は、
1988年、世界のGDPの16%でした。ところが、2020年は6%でした。
そして、シェアのピークは1994年の17.9%でした。今や3分の1です。
そして、他のアジアは25%です。(ちなみにその内中国が14%です)

では、戦後の日本から今に至るまで、どのような産業の推移があったかを見ていきます。
1950年のGDPは3%、1994年は17.9%。この間、日本は第2次産業で外貨を稼いで豊かになりました。主に製造業ですね。
ですから、当時はパナソニック創業者の松下幸之助氏や、ホンダ創業者の本田宗一郎氏、ソニーの井深大さんや盛田昭夫氏が尊敬されたわけです。

しかし、1970年から2019年、日本国内のGDPの割合は、第2次産業は44.5%から26%。第3次産業は49.4%から73%に推移しました。
第3次産業で飯食う人が大きく増えたわけです。
ですが、2次産業は粗利益率が高いのですが、3次産業は粗利率も低く低賃金にならざるを得ないという現実がこの30年で起こっているわけです。

では何故、第2次産業が減ったのか?
これがグローバリズムという聞こえのいい政策の罠でした。
グローバリズムとは国境破壊です。
当初は、経済が国境を超えることで、貧しい国は豊かになり、豊かな国はますます豊かになるというのが謳い文句でした。
すなわちみんながWINWIN,勝ち組になるという言葉が飛び交いました。

ところが先進国は、製造を安い国へもっていく。そしてさらに安い国へもっていく。そうすると国内はサービス業に移行せざるを得ない。
サービス業は競争が激化するので賃金がなかなか上がらない。
経営者はその中で利益を出すために正社員を非正規化して利益を絞り出す。
これがここ30年の推移です。
グローバリズムは生活格差を生みだす壮大なる失敗だったと言えます。
グローバリズムの恩恵を受けたのは、GAFAM(グーグル・アップル・フェイスブック・アマゾン・マイクロソフト)と呼ばれる巨大SNS会社やそこに付随する産業のみだったと言えます。

そして、グローバリズムによって人が多く行き来することで、当然のことながらウィルスも運んできます。今回の武漢からの発生は偶然なのか故意なのかの議論は置いておくとして、グローバリズムがパンデミックを広げたことは間違いありません。

グローバリズムとそれに伴う今回のパンデミックという二つの失策によって、グローバリズム戦略は縮小していくでしょう。
しかし、GAFAM(グーグル・アップル・フェイスブック・アマゾン・マイクロソフト)は、政府よりも強い力でよりグローバリズムを進めてくると思われます。

今後はSNSなど非接触型ビジネスと、医療産業と防災産業が発展していくと思われます。あとは、村型社会、循環型社会ですね。
市場としては、高齢化社会と健康型社会ですね。

今のウィルスによる困難は、世界の英知が結集して解決に向かってますので、近い内に収まるでしょう。
来るべき未来に向かって、しっかりと知恵を出し合えるチームにしておきましょう。